終活相談:できる限り、死亡後のトラブルを避けたい。何を優先して話し合うべき?

終活に興味がある方から頂いた質問にお答えすることで、皆さんのお役に立てる情報をお届けします。今回は、D.O.(20代・男性)から頂いた質問と終活を行うにあたってのヒントをお届けしたいと思います。

”いざ本人が亡くなった時に、お葬式のための費用や死亡の連絡などやらなければいけないことがとても多いと思うが、総費用としてどの程度を見込めばよいのか知りたいです。また、相続に際しては、司法書士などの専門家に依頼するべきなのかどうかも知りたい。できる限り、死亡後のトラブルを避けたいと考えているが、何を優先的に話し合っておくべきなのか。具体的な事例と併せて、優先するべき事をリスト化してくれると、非常にありがたいと思う”

エンディングノート

D.O.さんは、まだ20代の方ですが、祖父母の事を考え、事前に準備をされたいとのことでした。終活について、まだ取り組んだことが無い方が、まず行うと良いことからお答えしていきたいと思います。

1.まずはエンディングのートの作成を

質問を拝見するに、「死後のトラブルを避けたい」というのが一番のお気持ちであるように思います。近年、エンディングノートを作成される方が増えてきました。まずは、ご本人と一緒に、エンディングノートの作成をされることで、何が必要になってくるのかを明確にされてはいかがでしょうか。そのうえで、専門家に必要な部分を相談されてはいかがかと思います。

エンディングノートのサンプル(今回は心泉のエンディングノートを参考にしています)を見て頂くと、具体的な項目がリストアップされています。

1.わたしの生い立ち・思い出の記録

2.家系図・家訓(伝えておきたいこと)

3.お墓・納骨・埋葬について

4.希望する葬儀について

5.医療・介護について

6.セカンドライフ/終の棲家

7.財産について/遺言書

8.後見について

9.もしものときの連絡先

10.メッセージ/伝えたいこと

この中でも特に「3.お墓・納骨・埋葬について」「4.希望する葬儀について」「7.財産について/遺言書」「8.後見について」について良くお話しされておくと、いざお亡くなりになった際も故人の想いを引き継いだ対応ができることと思います。

2.終活も無料から有料まで様々です

エンディングノートには、ネット上にある無料のものから本屋さんにある有料のものもあり、エンディングノートを作成するにあたっても、終活カウンセラーと呼ばれる方のアドバイスや相続診断士の免許をお持ちの方からのアドバイスを受けながら行うなど形式も様々です。市のセミナーなどでも無料で配られることもあります。

一般的に、無料対応の場合は、他のサービス(保険、葬儀、相続)など、有料であるサービスのご案内をされる方が多く、一般的な質問やアドバイスは無料で請け負っていらっしゃることがあります。カウンセリングが有料の場合は、ご案内する有料サービスが無い代わり、中立的なアドバイスをされる方もいらっしゃいます。その背景を理解された上で、アドバイスを終活カウンセラーや相続診断士の方に求められてはいかがかと思います。

3.葬儀の費用は内容と葬儀社で大きく異なります

ご本人がお亡くなりになる前に、葬儀社へのヒアリングを行うことをおすすめします。葬儀社や葬儀内容により、費用は大きく異なります。また、互助会に入会されている場合、会員価格の提示などなされていることもありますが、互助会を解約し、他の葬儀社に依頼することも可能です。互助会の退会費を含めても、総費用が低くなることもあります。葬儀社によっては、互助会の解約を代行してくれることもありますので、確認してみましょう。

葬儀費用は、家族葬にするか、一般葬にするかで、合計金額が変わるとともに、一般葬儀の場合は、香典で賄える部分もありますので、自己負担額が異なってきます。

平成26年に日本消費者協会の発表によると、一般葬の総額は、188万9千円だったそうです。内訳は下記の通りです。

(単位:万円)

・通夜からの飲食接待費 33.9

・寺院への費用(お経、戒名、お布施) 44.6

・葬儀一式費用 122.2

・葬儀費用の合計 188.9

注:各項目の金額は平均額で、上から3項目目までの合計と葬儀費用の合計とは一致しない。

<日本消費者協会「第10回『葬儀についてのアンケート調査』報告書」/2014年>

葬儀一式費用については、形式によって様々です。心泉の家族葬の事例は、心泉のホームぺ―ジ・お値段と内容に掲載がありますので、ご興味のある方はご参照ください。上記が一般的な価格だとした場合、安価でのご案内となっていると思います。

また、心泉のお葬式の場合、法句寺が担当することが多いのですが、”寺院への費用(お経、戒名、お布施)”は下記でご案内しております。法名(戒名)の院号については、追加で浄土真宗大谷派東本願寺への申請費(8万円)が必要となります。

・お通夜、葬儀、火葬、中陰、法名 ¥100,000

・葬儀、火葬、法名 ¥50,000

・火葬、法名(安置・直葬プランの場合)  ¥30,000

4.専門家に相続関係を依頼するべきかの判断

相続については、本当にケースバイケースであえることが多いもので、一概にどの専門家に依頼するべきかということが言えませんが、相続における知識を持つ、相続診断士などに相談した上で、各々の相談者をご紹介頂くようなプロセスを踏むことはできます。また、最近ですと、税理士事務所や行政書士事務所などでも各士業と連携し、相談にのって頂くことは可能です。生前に相談することで、事前の対策をしておくこともできますので、一度無料相談などを行っている専門家に問合せてみてはいかがでしょうか。

その場合も、まずは「エンディングノート」を作成してから相談に行くとスムーズにお話が進むと思います。前持った準備が大切です。心泉の終活では、相続診断士の資格をもつ僧侶が作成をお手伝いします。お気軽にご相談ください。